こんにちは、蓬莱です!
「将棋初心者が強くなるには?私が考える最短で強くなる方法はこれだ!」の記事が、意外と人気で驚いております。
藤井聡太4段の連勝のおかげで将棋ブームが再来したこともありますが、やはり将棋の人気は根強いですね。
今回は将棋ブームに乗って、美濃囲いの基本的な攻略法を伝授したいと思いますよ!
こんな人が記事を書いています!
- (一応)将棋連盟の初段免状を持っている
- ちゃんと将棋を頑張っていた時代は、クラブ24で3級、ウォーズで2段30%
- 好きな戦法は石田流、松尾流穴熊
昔は強かったという無能です。どうもこんにちは、5年前初段だった蓬莱です(無能)
当たり前ですが、最新の戦法や戦形についてはまったく知識がありません。戦法については風化してしまうものもあるため、自分が現役時代に使っていた戦法はすでに風化しているかもしれません。
しかし、囲いや手筋などは風化することはありません。まさに一生の知識でございます。
そんな今でも通用する美濃囲いの攻め筋を、余すところなく紹介していきますよ!
そもそも美濃囲いとは?
こちらは居飛車の天敵、「美濃囲い」です。手数も少なく強固な陣形を作れることから、人気の高い囲いになります。
見ての通り、横からの攻めにめっぽう強いです。かと言って上からの攻めに弱いことはなく、ある程度の攻撃であれば耐えることができます。
おまけに金銀3枚の美しい陣形は、見ていて清々しく感じます。弱点らしい弱点が見当たらない、そんな囲いでございます。
片美濃攻略を知るべし
そんな美濃囲いを攻略するためには、片美濃の攻略法を知らなければなりません。画像の様に、通常の美濃囲いから金が一枚なくなった形を、片美濃囲いと呼びます。
本美濃よりはだいぶ攻めやすそうな形に見えますが、それでも攻略の方法を知らなければ容易に攻め切ることはできません。
著者としては美濃囲いを手っ取り早く攻略したいところですが、まずはこの記事で片美濃の攻略法についてお話したいと思いますよ!
横から攻略
(棋譜を見やすい将棋盤で表示するために,Fireworks さんが作成されたアニメーション付棋譜再現プレーヤー 「フラ盤」を使用させていただいています.)
横から攻めるときは、なんといっても7一の地点が弱点です。6一にいる金をどかして7一に銀か角を打てれば、詰みは自ずと見えてきます。
フラ盤の通りにいけば、金取りからの馬成りも実現できますね。
角と歩しか持っていない場合どうでしょう?
前問と同じく6一にいる金をどかすという考えならば、▲6二歩と打ちたいところですが、残念ながらニ歩になってしまいますね。
ここは▲5ニ歩と垂らし、と金を作ることを目指しましょう。次に▲5一歩成が実現できれば、相手にとってかなりの脅威になります。
相手はこれを防ぎたいところですが、▲5一歩成を防ぐ手段はなかなか思いつきません。こういった堅実な攻めも、時には重要です。
直接7一の地点に角か銀を打つ攻め筋を紹介しましたが、角を持っていた場合もう1つ狙える筋があります。
とりあえず▲6二香と打ってみましょう。香を金でとってきた場合には、直接7一に角をお見舞いできますね。
△7一金と避けて▲5三角と打ちましたが、いまいち攻めきれた感じがしません。先手の狙いは一体なんでしょうか?
答えは、▲7一龍△同玉△6一香成という手を狙っています。▲6一香成で角道が通り、開き王手になるため威力は凄まじいです。
今まで金をはがすことを第一目標として、6一の金を攻めてきました。ここでは銀を移動させることで、金を取るということを目標にしてみましょう。
この目標を達成できるのが▲6三香です。もし相手が銀で取ってきたら、金を龍で取れますね。
よって△7一金で粘るくらいしかありませんが、さくっと龍を切って攻め切りましょう!
この場合はどうでしょうか?
明確な攻めがなさそうですが、▲6四歩という手があります。何気ない1手ですが、取らなければと金ができるいやらしい手ですね。
と金ができることを嫌って歩を取った場合、これまでに学習した方法で攻めることができます。▲6二歩を取ったら7一に直接角を、△7一金と避けたら▲5三角で次に開き王手を狙えますね。
桂馬を持っていた場合も同様のことができます。
最終局面から龍を切り、開き王手を狙う。分かりやすくて良いですね。
桂馬を使った手筋をもう1つ紹介しましょう。
歩と桂馬だけで、ここまでの崩しができます。▲6二歩は、次にと金を作る意味ですね。
最終局面はいまいちぱっとしませんが、龍が寄ったことで金取りが確定しています。
この盤面で角銀金を持っている場合は、即詰みにできます。
実用的すぎるので、もはや暗記してしまっても良い手筋です。
前問から持ち駒を変えて、金銀桂香でも詰ませることができます。
これも暗記しておいていいくらい実用的ですね。
端から攻略
次は端攻めについて学びましょう。
端攻めのバリエーションは大変多く、知っていれば知っているほど美濃囲いを攻略しやすくなりますが、ここでは基本の2つをお伝えしますね。
こちらは最も有名な端攻めです。最終局面ですが▲9四桂と王手をかけた時に、玉の逃げ場が難しく困りそうです。
歩を4枚捨てる大味な技ですが、その代償に見合った攻め筋でしょう!
もう1つ端攻めの基本として、「送りの手筋」を使用するものがあります。
手順は長いですが、どの手も後手にとって厳しいものであります。
「横から攻める」の章にあった、7一の地点を攻める手も絡めているため、非常に難易度の高い攻め方です。
斜めから攻略
超初心者さんには目からウロコな攻め筋だと思います。
▲7四桂と打った時に、角の利きによって桂馬が取れないため、一気に詰ませることができます。
片美濃のみならず、堅牢な美濃囲いですら同様の手順で詰ませることができますよ!
前問のコビン攻めが有名すぎるため、影が薄くなってしまった攻め筋です。「継ぎ桂」という手筋を使っていますが、これもかなりおすすめの攻め筋ですよ!
簡単に言うと、桂馬を2つ使って何とか▲7四桂を実現させるというものです。結構無理やりな気がしますが、相手玉の逃げ場を考えると重宝すべき攻め筋ですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。「どんな持ち駒でも片美濃くらいなら攻略できる!」ということをお伝えできましたら幸いです。
今回用いた例題は、金子タカシ様の「美濃崩し200」から引用しています。
この本は大変すごいです。美濃囲い攻略のための攻め筋をありとあらゆる方向から示しています。この例題をすべて習得したのなら、間違いなく3段くらいの能力を得ることができますね(美濃崩しだけ)。
最後に載せた画像も、金子タカシ様の例題です。同様の盤面で「金銀角」「金銀桂香」の持ち駒で詰ませる例題を見ましたが、「金2枚銀2枚」の場合はどうなるかという問題です。
もちろんこれも詰みまでもっていくことができます。このような多種多様にわたる攻め筋を、余すことなく説明しているのが「美濃崩し200」です。
美濃囲いに苦手意識を持っている方は、立ち読みだけでもしてみてください。きっと気に入る1冊だと思いますよ!