危険な250連発!ロケット花火をアルコールの力で連射してみました!


新聞紙ver

こんばんは、蓬莱です!

去年の話になりますが、「連射装置を作ってロケット花火を連発しよう!」と言うクソ記事を覚えている方はいるでしょうか?

この記事がクソだという所以は、「連発しよう!」とタイトルで謳っているくせに、動画を一切載せていないことです。つまり、装置を作っただけで記事が終わっているのです。

 

これでは詐欺まがいの記事だと思ったので、今年は動画をきちんと撮りました。2017年夏の危険な企画を、どうぞご覧くださいませ!

 

 

去年の連射装置

発射台完成

前記事 で作った連射装置です。

本当に綺麗に作ってありますね。我ながらあっぱれだと思います。

ロケット花火を綺麗に飛ばすために、発射口は45度の角度にするとか、ロケット花火の安定性を考慮して網は2つにするとか、いろいろ研究していたと思います。

もっとさ、この努力を修士研究に回すとか、世界平和に使うとかしないのですかねぇ…(汗)

 

 

去年の反省点

花火発射台

阿鼻叫喚(確信)

ロケット花火を挿してみると、なんとなくやりたいことが伝わると思います。この状態からバーナーで炙り、次々とロケット花火を飛ばしていくわけですね。

 

去年はその方法でポンポン飛ばしていたわけですが、あの方法はバーナーで炙っている人が怪我をする可能性があります。

あと、あまりにも力押しすぎる方法で”理系”らしくないです。そこで、もう少し合理的な方法を開発して、飛ばしていきたいと考えています。

 

 

一気に飛ばすにはどうすればいいか?

 

この連射装置は、上の網に導火線の先が来るように設計されています。つまり、この網付近が一気に燃え広がってしまえば、一気に導火線がつくことになります。

よって、網に何かしら燃えやすい物質を取り付けておき、火の海にすればロケット花火を飛ばすことができます。燃えやすい素材は、新聞紙などがすぐに思いつきますね。

 

 

アルコールを使う

さらに一気に燃え広がるように、蓬莱さんはアルコールに着目しました。

何か燃えるものを装置に取り付け、アルコールを浸せば一気に燃えます。

 

そういうわけで、自分は「綿」と「新聞紙」にアルコールを浸す実験をしてみました。当日にいきなり新しい装置を持って行って火がつかなかったりしたら恥ずかしいですからね。

 

 

綿を使ってみた

綿の材料

さっそく材料を買ってきました。100円ショップのセリアさんには、いつもお世話になっています(笑)

装置が黒いのは、去年使用したからです。見てくれは悪いですが、火が付きにくい素材を使用しているので、何回でも打つことができますよ。

 

 

部品作り

サンドイッチのできあがり

装置に合うように網を切り、そこに綿をはさみました。

この綿にアルコールを染み込ませ、一気に燃やすというわけですね。

 

 

部品取り付け

もこもこ装置(恍惚)

厳かな装置がなんとなく可愛らしくなりました。

綿を使うことで、抵抗なくロケット花火を挿していくことができます。

 

 

実験開始

海

アルコールを使うということで、危険があっても大丈夫なように海で実験しました。

ここなら蓬莱さんが燃えたとしても、海に飛び込めばいいわけです。

 

さて。早速ですが、実験した結果をご覧くださいませ。

 

 

 

実験結果:どう見ても失敗

しっかりアルコールに浸した割には、まったく燃え広がりませんでした。上手く燃えた部分は、導火線に火が届かず、棒の部分が燃えて倒れてしまいました。

 

これは失敗した原因を特定しなければなりませんね。ちなみに、動画中では「そうかぁ」と蓬莱さんが言っていますが、この時点では何が原因なのかまったく分かっておりません(池沼)

 

動画中で頑張って火をつけてくれている人は、後輩のoohsです。oohsは化学システム工学科在中ということもあり、原因をすぐに分析してくれました。

  • 綿に染み込んだアルコールが上部に残らない。
  • 綿の密度が低すぎて、上手く燃え広がらない。

 

原因は2つありました。綿に染み込んだアルコールが重力の影響で下部に移動してしまい、下火になってしまうようです。つまり火はつくのですが、導火線まで火が届かないのです。

もう1つは綿の密度にあります。あまりにも中がスカスカすぎて、火が広がらないといのです。これは綿をたくさん挟み込んでしまえば、すぐに解決しますね。

 

なるほど。これが原因なら綿をたくさん挟み込んで、綿の中に導火線を入れればいいんじゃないか。

誰もが思いつきそうな修正策を取り、第2の実験を開始しました。

結果をどうぞご覧ください。

 

 

 

実験結果:失敗

動画では、見事すっぽり埋められたロケット花火が確認できます。火も上手く燃え広がりました。

しかし、すべて同じように設置したにもかかわらず、どういうわけか一気に飛んでいきませんでした。途中でoohsがアルコールを追加投入していますが、そこまでしても1本残ってしまいました。

 

oohsさんによると、アルコールが導火線にかかると、火が止まってしまうかもしれないとのことです。

燃えやすいものを塗り付けているのに、火が止まるというのはなかなか想像できません。試しに導火線にアルコールを塗ったロケット花火に火をつけてみると、途中で見事に火が消えました。

うーむ、アルコールって不思議ですね。

 

 

新聞紙を使ってみた

新聞紙部品

さて。綿が難しいというのなら、新聞紙を試してみましょう。

紙ならば燃焼性・吸水性ともに抜群であり、綿のようにアルコールが下に落ちていくこともありません。

問題はどうやってロケット花火を入れていくかですが、これは画像の様に切り込みを入れておけば済む話です。

 

 

新聞紙ver

工作の達人ですねぇ…(恍惚)

ここまで上手く行くと思いませんでしたが、設計図通りにいったようです。結構な手間がかかりましたので、必ず成功させたいですね。

 

 

アルコールの揮発性

アルコール実験

アルコールを浸した新聞紙です。

これに火をつけると…

 

 

アルコール実験点火

ご覧の通り、よく燃え広がります。

この画像はアルコールを浸した直後のものです。

 

アルコールは放っておくと、気体になってしまうという性質あります。これは注意すべき性質であり、すべて気体化してしまうと新聞紙が燃えなくなってしまいます。

つまり、アルコールを浸してからロケット花火を挿しこむのに時間をかけすぎると、アルコールが無力化してしまう恐れがあるのです。

 

そこで新聞紙にアルコールを浸して、どれくらいの時間で無効化されてしまうか時間別に実験しました。結果は以下の通りです。

  • アルコールを浸し、5分経過後に点火 … よく燃える
  • アルコールを浸し、10分経過後に点火 … よく燃える
  • アルコールを浸し、15分経過後に点火 … 燃えなかった

 

この結果を見ると、アルコールを浸して10分以内にすべてのロケット花火を挿しこみ点火すれば、すべて飛ぶ計算になります。

本番では250本ロケット花火を挿さなければならないので、迅速な行動が求められますね。

 

 

実験結果の後

アルコール実験の残骸

先の実験結果を導くために、回数を重ねて実験を行っていました。

これだけでも、蓬莱さんの熱い思いが伝わることでしょう!

 

 

実験開始

海

さぁ、新聞紙バージョンの実験に入りましょうか。

これだけの実験を重ねて失敗しようものなら、ホント泣けますね…。

 

 

 

実験結果:失敗

はぁもうつっかえ。

やめたら、この仕事?(語録)

 

動画はアルコールをかけて5分後に着火した動画です。10分以内にロケット花火を挿せば燃え広がるという実験結果は、どうしたのでしょう。

答えは海風でした。強い風によって、アルコールが早めに飛んでしまったのです。……この時点でアルコールを使う方法はだめっぽいのですけど、どうなのでしょうか?

 

一瞬燃え広がったもののすぐに消えてしまったため、焦ってアルコールを投入しています。アルコールで導火線を濡らしてはいけないのに…。

そのことに気づき、動画中では「あ、そっか。濡らしちゃダメなんだ」という池沼発言もしています。

なんだこれは、大喜利かよ。

 

 

本番当日

この後も機会を見て、アルコール着火の模索を考えていましたが、上手く行くことは一度もありませんでした。

ロケット花火の遅漏ぶりにはホントに呆れますね。

 

そうこうしている内に、当日が来てしまいました。もうこうなったら、なるようになるしかありませんね。

 

 

花火用堀

蓬莱さん、もぐらだった(達観)

当日は台風が近づいている残念なタイミングだったので、風が当たらないように掘を作りました。

さすがは男を掘るのが得意な蓬莱さん。これくらいの堀ならば、20分ほどで作ることができます。

 

さて、堀も完成したところで、蓬莱さんは選択をしなければなりません。実験は一度も上手く行くことがなく、風もかなり強いので、少し危険を冒さなければ成功する気がしません。

オーディエンスの賞賛をとるか、命をとるか……。2つの大事なものを天秤にかけた結果がこちらです。

 

 

 

結果:大成功

【悲報】やっぱり蓬莱さんはバカだった

多分右腕焼けてると思うのですけど、そこは大丈夫なんですかねぇ(確認)

 

1本しかロケット花火が点火されない時点で、今までの実験と同じになることが分かり切っていました。すかさずアルコールを飛ばし火の海にしたのが良かったようで、見事大成功に終わりました。

導火線にアルコールが染み込むと火が止まるとありましたが、常に強い火を供給させることで、その問題を解決できたようです。いやぁ、火って恐ろしい(戒め)

 

 

化シス後輩の作品

このくだらない企画に付き合ってくれた、oohsさんも作品を作っていました。すでにロケット花火を100発セットしているようで、自信満々の作品のようです。

それじゃあ、科学システム工学科の実力を見てみましょうか。

 

 

 

!!?

 

…………

 

なんやこれ、後輩の方が圧倒的に凄いやんけ(迫真)

 

 

最後に

この企画、すべて後輩に持っていかれたような気がしますが、それでも蓬莱さんは満足です。

上手く飛んでくれたのも嬉しいですが、何よりもみんなの期待に応えられたのが嬉しかったですね。

 

ちなみに、アルコールを含めた油類を使うのはかなり危険ですので、使う場合は危険物取り扱いの資格を持っている人に相談しましょう。自分はアルコールの性質をよく知らなかったので、oohsさんに相談しておいて本当に正解でした。

 

最後に、10年間ロケット花火と戯れてきた先輩からアドバイスをします。

ロケット花火を連射するだけなら、実はこんな厳かな準備は必要なかったりします。ロケット花火をできる限り密集させて地面に挿しておき、横から火力の高いバーナーで炙ることで秒間10発は飛びますよ。

他の人に危険がないことを確認して、ぜひお試しあれ!

 

 

謝辞

自治会の浜コンを盛り上げるためとは言え、こんな究極にくだらない企画に付き合ってくれたoohsさんに感謝いたします。

化学システム工学科在中という頼もしい存在は、この企画の手助けになりました。車出しも非常に助かりました。本当にありがとうございました!

来年の自分は修士2年生になってしまうし、次の浜コンは君に任せたぞ!


初回公開日:2017年8月10日
初回公開日:2017年8月10日