初心者に棒銀を勧めるのは時代遅れ!?私が四間飛車を勧める1つの理由


四間飛車基本形

こんばんは、蓬莱です!

今日も将棋の記事になります。やはりそれなりの棋力があるのだから、将棋関係の記事も発信しないと勿体ないなと思い、いろいろと作っています。反省はしています(苦笑)

タイトルは、一般世論に喧嘩をふっかけるようなものになっています。将棋初心者には棒銀が一番おすすめと言われる風潮に対し、自分は四間飛車を勧めるのですからね。もはや世界に対して反論しているようなものですが、決定的な理由を1つお伝えしたいと思います!

 

 

筆者の将棋経歴

  • 高校の部活は将棋部
  • 全盛期は将棋倶楽部24で3級、将棋ウォーズで2段30%
  • 棋力はアマ初段程度

このくらいのレベルの人間が、この記事を書いております。

 

 

将棋が強くなる最短ルート

「将棋初心者が強くなるには?私が考える最短で強くなる方法はこれだ!」という記事に、私が考える将棋が強くなる最短ルートとその理由を書いてあります。この記事は大変長いので、要約したものを下にまとめてあります。

伝えたい最短ルートは、「1つの戦法を徹底的に極める」ということなので、そこさえご理解いただければ、「それは分かった。じゃあ何で四間飛車なの?」の章まで読み飛ばしていただいて結構です。

 

 

いろいろな将棋サイトで、強くなるための最短ルートが示されています。「○○を続けていけば、初段になれる!」とか言う、よくある売り文句ですね。

ここは将棋専門サイトではないので恐れ多いですが、自分も将棋が強くなる最短ルートを宣言させていただきたく思います。

 

自分が掲げる最短ルート。それは、

一つの戦法・戦型を徹底的に極める

というものです。

 

 

1つの戦法・戦型を極めるべき理由

前述した経歴通り、自分の棋力は初段程度ではあります。この棋力はあくまで目安であり、将棋の戦型によっては二段並の実力が出ることもありますし、3級以下の実力しか出せないこともあります。

そうです。残念なことに人間は、得意な戦型ではめっぽう強くなり、よく知らない戦型ではめっぽう弱くなるのです。勉強したことのない戦型、指し慣れていない戦型なら、普段の実力が出ないのは当たり前ですね…。

 

 

逆の考え方をしてみよう

上記の文章を見ると諦めがつきそうなものです。しかしながら、違った視点で見るとこうなると考えます。

 

多くの将棋で得意戦法・得意戦型を実現できれば、ずっと強い自分が出せる。

将棋が強くなる最短ルートは、1つの戦法・戦型を徹底的に極めると言いました。自分の実力が出せる戦型を一つ決めて、それを指しまくることができれば、強い自分を出せるということです。

 

 

それは分かった。じゃあ何でお勧めが四間飛車なの?

四間飛車基本形

ここからが本題です。いよいよ四間飛車を勧める理由が出てきます。

相手に自分の戦型作りを邪魔されにくい戦法。それが四間飛車だからです。

 

いざ自分の得意戦法が確立したとしても、相手によってそれを実現できない形にされるようなことがあったら、意味がありません。これをなるべく回避できるのが、四間飛車という戦法なのです。

 

以下からは、形を作る上で四間飛車がどれだけ優遇されているのかを見てみることにします。

 

 

四間飛車の基本戦型は実現しやすい

 (棋譜を見やすい将棋盤で表示するために,Fireworks さんが作成されたアニメーション付棋譜再現プレーヤー 「フラ盤」を使用させていただいています.)

 

まず先手を取れれば、相手がどんな対応をしようと四間飛車の形に組むことができます。

3手目で角道を止めることにより、確実に四間飛車の形に持っていけるためです。

 

 

四間飛車が唯一邪魔される形

後手番の場合、相手が3手目で角交換をしてきた場合は、四間飛車にならないことがあります。

具体例をあげますと、▲4五角からの「筋違い角」という戦型です。この場合▲6三角成を防がなければいけないので、振り飛車にはどうしてもできません。

 

もしくは、角交換をしてきて、こういった状況になることもあるでしょう。

この場合も、普通は居飛車にすべきだと思います。しかしながら、無理やり四間飛車に組めそうな気もしますね。四間飛車にした場合は、角交換四間飛車のような戦い方になると思います。

 

 

四間飛車まとめ

以上から、先手番では確実に四間飛車にできる。自分が後手番になっても、相手が角交換さえしなければ四間飛車に組めるという結果になりました。

次は居飛車を得意戦法にした場合を見ていきましょう!

 

 

居飛車だとどうなるか?

ここでは得意戦型を矢倉にしてみましょうか。先ほどの四間飛車同様、矢倉戦になったら絶対勝てる! という人をイメージしてみます。

 

 

ふむ、これは矢倉戦になりそうですね。矢倉が得意な人なので、この序盤の展開なら遺憾なく実力が出せるでしょう。

 

ただ、相手が少しでも違うと……。

あれ、いつの間にか相手は中飛車に…?

そうです。棋譜の通り、相手が振り飛車を志向しているのなら、居飛車vs居飛車の戦型にはどうやっても持ち込めません。それはたとえ、こちらが先手番だったとしてもです。

四間飛車だったら、先手番なら問答無用で組めたはずなのに。

 

 

後手番はどうなるの?

後手番の場合、四間飛車を志向しても、相手からの角交換が生じたら実現できませんでした。では、居飛車はどうでしょうか?

結論から言いましょう。後手番はもっと地獄です。

当たり前ですが、四間飛車の方で見た3手目角交換からの変化は出てきます。実は居飛車には、それ以外にも出てくる変化があるのです。

 

 

2筋からガンガン攻められ、3筋の歩をかすめとられました。自分はあまり詳しくないのですが、横歩取り模様と言っていいでしょうか…。もちろんここから矢倉に組めるかもしれませんが、相手の3筋の歩が突き進んでくるだけで、怖いような気がします。

四間飛車と違って、横歩取りの変化にまで対応しておかないといけないようです。

 

 

まとめ

以上の四間飛車派と居飛車派(矢倉)をまとめてみましょう。

 

四間飛車に組みたい人

四間飛車基本形

  • とりあえず先手番を取れれば、確実に四間飛車の戦型にできる。
  • 後手番の場合でも、相手が3手目で角交換をしなければ確実に四間飛車の戦型にできる。

よって、四間飛車を超得意戦法にするために研究すべき戦型は、四間飛車vs居飛車、四間飛車vs振り飛車、角換わり、筋違い角対策となります。

筋違い角に関してはマイナー戦法であるため、相手が指して来たら諦めてもいいかも。実のところ、筆者は諦めます(苦笑)

 

 

居飛車(できれば矢倉)に組みたい人

矢倉形

  • 先手番をとっても、相手が振り飛車を選んだときに矢倉戦にならない。
  • 後手番の場合、角交換をされると矢倉にならない。角換わりか、筋違い角の戦いになる(ここは四間飛車と同じ)
  • 後手番の場合、相手の3手目で角交換をされなくても、横歩取りになる可能性がある。
  • そもそも後手番の場合でも、相手が振り飛車の可能性あり。

よって、矢倉を超得意戦法にするために研究すべき戦型は、矢倉vs矢倉、角換わり、横歩取り居飛車vs各種振り飛車、筋違い角対策になります。

 

4つ目の「居飛車vs各種振り飛車」とありますが、実は相手が四間飛車か中飛車かだけでも、取るべき対策がかなり違ってきます。振り飛車には、中飛車・四間飛車・三間飛車・向い飛車があるので、これらを対策しておかなければなりません。

つまり安定した戦いを目指すのなら、9つの戦型を理解しておく必要があるようです。

 

 

2つを比較してみて

赤く色を示した部分が、居飛車側がより多く対策しなければならない戦型です。四間飛車の戦型を目指すために4つの形を勉強・研究しなければならないのに、それよりも6つ多く勉強しないといけないなんて…。

さすがに厳しい、少なくとも自分は無理ですね。

 

 

指したい戦法、得意な戦法を指すという観点

自分のやりたい戦法、得意としている戦法があったとしても、やはり角交換などでその戦型を阻止されてしまえば、何となくやる気がそがれるものです。

四間飛車は上記の通り相手の邪魔も入りにくく、序盤は自分の思い通りに戦っていける可能性が高い戦法になります。これが初心者に対して四間飛車を勧める理由です。

 

 

最後に

まずは1つの戦型を極める。そしてその戦型を実現できたのなら、格上の相手にだって良い勝負ができる。この状態になってしまえば、将棋の力はガンガンついていくと思います。

そして、その1つの戦型作りが簡単、邪魔されにくいのが四間飛車であることを、例を踏まえてお伝えしました。初心者さんには、まずは陣形を作りやすい四間飛車をマスターし、納得の行く勝利をあげられることをお祈りいたします!

 

戦法を1つ極めて将棋を指すことのメリットは、「将棋初心者が強くなるには?私が考える最短で強くなる方法はこれだ!」の最後の方に記載しております。時間がございましたら、こちらにも触れていただけると幸いです!

 

 

追記

まるで居飛車が悪いような書き方をしていますが、この記事では「最短ルートで強くなる」ということに重きを置いているからです。

将棋的な楽しみに関しては、いろいろな戦いができる居飛車の方が勝っていると思っています。居飛車の人も頑張っていきましょう!


初回公開日:2017年1月13日
初回公開日:2017年1月13日