こんばんは、蓬莱です!
「2chのe-typingスコアランクは本当に正しいのか?新しい指標を作ってみました!」という記事に、気になるコメントがついていました。それは、「タイピングスキルの全国平均が年々落ちている気がする」というコメントです。
スマホが普及したことが影響して、タイピングをする機会はだいぶ少なくなったと思います。昔の方がタイピングをする時間が長い分、今よりもタイピングが上手かった可能性があるということです。
本当に今より昔の方が、タイピングスキルは高かったのか? 日々タイピングスキルを磨いている蓬莱さんはなんとなく気になり、独自の調査を展開することにしました。
久々の解析記事ですね。頑張ってやっていきましょう!
スマホの普及
2012~2013年ごろ、突然スマホが普及しました。
わずか数年足らずでガラケーからスマホにシェア転換をしていく様は、当時大学生ながらも驚きを感じましたね。
しかし、その利便性を考えると、シェアが広がって当然だと思います。
いつでもどこでも手軽に検索ができるのは、本当に便利ですよね。昔は重いノートパソコンを持ち歩かないと、ネットが使えませんでした。今や軽い携帯電話さえ持っていれば、いろんなところにアクセスできるようになりましたね。
アプリについても、本当に優秀です。
Google Mapがあれば、未開の地を旅行した時でも迷わず目的地にたどり着くことができます。Google Playストアでは、暇つぶしのゲームをいくらでもインストールできます。
まさにスマホは、生活を豊かにしてくれる便利なツールと言えるでしょう!
パソコンスキルの低下
しかしながら、スマホの普及によって生じたデメリットもあります。それは、パソコンスキルの低下です。
パソコンからスマホに主役が変わったことで、パソコンを活用する機会が激減していることが予想されます。毎日パソコンの前に15時間以上いる自分には、とても考えられないことですね(苦笑)。
そんなこともあり、新社会人(主に高卒の方々)の中にはワードやエクセル等の基本的な使い方を知らない人が、意外と多いようです。
そう考えると、パソコンスキルに関連してタイピングスキルも低下していることが予想されます。
日々タイピングの鍛錬をしている蓬莱さんにとって、本当にそれが正しいのか気になるものです。蓬莱さん特有のやり方で、ぜひ解明していきましょう!
調査方法
タイピング練習サイト:e-typing
前置きを終えたところで、調査方法についてお話しましょう。
タイピングを練習している人ならば誰でも知っている、「e-typing」の過去の記録を扱っていきます。
あまり知っている人は少ないですが、e-typingは2001年4月から運営され始めたタイピング練習サイトです。今年で18周年目を迎える老舗サイトなのですよね。
883週分すべてのデータを参照できます!
e-typingの主要イベント「お試しレベルチェック」についても、サービス開始当初の2001年4月から休むことなく毎週行われています。
つまり、16年分のタイピングデータが集計されていると言っても過言ではありません。しかも週単位で丁寧に記録されています。
このことから、e-typingのデータを用いることは、今回のテーマにおいてかなり有益なものと考えられます。
試しに第883回の記録を開きました。
このように、参加人数と平均スコアを簡単に参照することができます。ユーザーごとの記録も、ランキング形式で見ることができますね。
ここで習得できる「平均スコア」と「参加者人数」を883回分すべて集計して、グラフにプロットしてみれば、何か傾向が見えてくると思います。
データ集めは大変かもしれませんが、早速実践していきましょう!
データ抽出の様子
あまりにも過酷すぎる作業
過去のランキングページを開いて、参加者人数と平均スコアをExcelファイルに入力していきます。
前述したとおり、これまでお試しレベルチェックは883回行われています。その分だけ、同じ回数の作業をこなさないといけないと考えると…流石に涙が出てきますね。
883回クリックするだけでもかなり面倒なのに…。ホント、やめたくなりますよ~ブログぅ…。
完成したcsvファイル(883行)
4時間あまりの時間を使って、全883行にわたる膨大なデータを作成することに成功しました。
ただ単に数字を眺めて、地道にそれを打っていく。ブログ史上最強につまらない作業だったと思います。
下記の記事でも、目分量で似たようなことをしていましたが、可愛い女の子を眺められるという特典がありました。そのような特典なしに、これだけ無駄な作業だと思いつつ集計したのは、これが初めてかもしれません。
参考記事:COMIC LOから分かるロリコンの範囲!中学生好きは果たしてロリコン認定されるのか!?
少し話がそれましたが、以上が集計作業でした。ここからが本番です。
このビッグデータを使って、タイピングスキルの推移について見ていきましょう。
プロット結果
単純にプロットした結果
悲しいなぁ。ご覧ください、この非常に残念な結果を…。
単純に平均スコアの推移をプロットしただけですが、あまりにギザギザしすぎていて、まったく傾向がつかめません。
何となく、2018年に近づくにつれてほんの少しだけ平均スコアが下がってきているような気がしますが…それも誤差の範囲かもしれません。
ギザギザしている理由は、ズバリ「問題の難しさ」によると思います。
e-typingでは、点数を出しやすい問題と出しにくい問題があります。先週は320点取れたところ、今週やってみたら問題が変わっていて270点しか取れなかった、というケースが普通にあります。
これはもう少し違うアプローチをしないといけませんね。
ヒストグラムはとても綺麗な正規分布!
今回の考察では使いませんが、一応ヒストグラムも提示しておきます。統計学ニキは、気になる方もいると思うので!
移動平均をとってみた
画像引用元:32-3.移動平均 – 統計学web
何とかして傾向を見るために、蓬莱さんは移動平均という手法を取ることにしました。
移動平均を行うメリットは、上記の画像から大体分かると思います。画像の青線が元のデータ、赤線が移動平均後のデータになりますね。
青線だとギザギザして良く分かりませんが、赤線を見ると時間が進むにつれてy軸の値が減少している傾向が読み取れます。
この移動平均を用いて、先ほどのギザギザしたデータの傾向をあぶり出したいと思います。なお、移動平均の理論について詳しく知りたいという方は、下記の記事を参考にしてください。
参考記事:32-3.移動平均 – 統計学web
移動幅を10回分として平均した結果
とりあえず移動幅を10回にして計算してみました。1回あたりの範囲は、2ヶ月半くらいです。
これだけ幅をとっても,傾向はまったく分かりませんでした。どうやら今回は、一筋縄ではいかないようです。
と言うか、そもそもの話、最適な移動幅ってどれくらいなのか分かりませんね。
もしかしたら、移動幅を20回にした方がいいかもしれませんし、ひょっとしたら移動幅を50回にした方がいいかもしれません。うーむ、これは困りました。
友達にいい方法を尋ねたら、「粒子フィルターをやってみると面白そう」とか、訳の分からないことを言われてしまうし…。そんな難しそうな統計手法、勉強したくありませんよ(大自重)。
したがって、蓬莱さんは総当たりを考えるという、最高に力任せな方法で最適な移動幅を検証しました。
具体的には、2~500まで幅を変えつつ移動平均を行うプログラムを作りました。解析後は500枚の画像が生成されるので、そこそこ明瞭に傾向が出てきた結果のみを抽出して載せたいと思います。
結構綺麗な曲線になりましたね!
上から移動幅1年分、4年分、8年分の結果になります。
どれも2015~2016年くらいの間で、全国平均のタイピングスコアが下がっています。しかし結局のところ、わずか3~8ポイント程度の差でしかありません。
この数ポイントの差が、どれくらいの影響力を持っているのかについては、蓬莱さんは知る由もありません。確かにタイピング力は下がっているかもしれませんが、せいぜい誤差程度のものだという結論になりそうです。
参加者人数の推移
これまでの結果を見ると、きちんとタイピングを練習している方に関しては、いつの時代と比較してもあまり実力に差は出ていなさそうです。
日本人のタイピング力が変わらないことは良いことですが、記事としては面白味に欠けてしまいましたね(苦笑)。
しかし、これでよかったと安堵するのはまだ早いです。ここまでの内容では、”タイピングを練習していない人”に関して、言及していません。
最後に、このことに言及してから記事を終えることにしましょう。
作成したcsvデータ(再掲)
今度は、e-typingのお試しチェックに参加した人数をプロットしてみましょう。
そんなことをして、一体何が分かるのか? そのことについては、実際の解析結果を見ながらお話ししましょう。
解析結果
参加者人数が激減している!
おーこれはこれは…。ギザギザしているものの、減少傾向ははっきり読み取れますね。
一応ダメ押しで、移動平均も取ってみましょうか。
減りスギィ!!!
移動幅50回分で、かなり明瞭な曲線が得られました。
ここで考察します。e-typingはタイピングを練習する人ならば誰でも知っているサイトです。
タイピングと検索すれば一番目に出てくるほどの有名サイトになりますので、「ここで練習しなければどこで練習するの?」というくらいに、タイピング練習の分野では王道サイトとして君臨しています。
この状況を踏まえると、「e-typingの参加者数」=「タイピングを練習している人」というように解釈しても、言い過ぎではないはずです。
そう考えるとグラフからは、「タイピングを練習している人数が年々減少している」という風にもとることができます。
つまり、逆を取ればタイピングを練習しない人が年々増えている。最後の最後で、それっぽい結論を導き出すことができました。
最後に(調査結果の考察)
今回は、スマホの台頭により、タイピングスキルが年々劣っているのではないかという懸念の元、調査に走りました。
この記事で分かったことを、箇条書きでまとめておきましょう。
- e-typingの平均点数に関しては、昔も今もそこまで変わらなかった。
- e-typingでタイピングを練習している人は、年々現象傾向にあった。
タイピングを練習している人に限っては、どの年代でも平均的な実力に差異は見られませんでした。しかしながら、タイピングスキルそのものを習得しようとしている人は、年々減少しているようです。
この傾向が続いてしまうと、段々とタイピングができる人が少なくなってしまいますね。それはそれで自分に希少価値が生まれるのでありがたいですが、日本にとっては大きな損失になるかもしれませんね。