こんばんは、蓬莱です!
「知っておきたい理系大学生の生活!4年間の生活を見てみよう!」の記事が大変好評で驚いております。理系って結構忙しいイメージがありますから、知らない人からすると検索したい情報なのかもしれませんね。
さて、自分は理系ですので理系の活動ぶりや忙しさをよく知っています。そうなると、逆に文系の生活が知りたくなってくるものです。よく「文系は暇」などと言われていますが、実態はどうなのでしょうか?
今回は友達の力を借りて、文系(新潟大学人文学部)の4年間の生活を覗くことに成功しました。これを見ると、文系大学生の印象が変わるかもしれませんよ!
筆者はこんな人!
- 新潟大学工学部建設学科に所属
- 工学部学生自治会に所属(サークルみたいなものと思ってください)
- バイトはしていない
- 趣味はweb制作、ルービックキューブ、将棋など
バイト戦士にはならず、サークル活動や趣味に打ち込んだ理系大学生です。
理系の視点から、インタビューした文系の人の生活を分析しますよ!
文系が暇という風潮について
まず最初に、文系が暇という風潮は少しいただけません。
文系と言っても文学部を始めとし、法学部、経済学部、教育学部(科目による)があります。文系全てをひっくるめて暇と認定しては、少し失礼な気がします。文学部は暇、経済学部は暇という表現なら、まだ少しはマシかもしれません。
また、どうしても文系が暇と言いたいのなら、「理系と比べて暇」というべきです。確かに暇な時間は理系よりもあると思いますが、一応やることはやって卒業をしているはずです。
…というのが自分の意見でしたが、文系の実態を知らない以上、机上の空論になってしまいます。そこで最も就職に弱そうで、暇そうだと思われる文学部に焦点を当ててみました。
インタビューに答えてくれた方は、新潟大学人文学部の卒業生Hさんです。
大学1年生
それでは大学4年間の生活を見ていきましょう。
表は、インタビューに答えてくれた人の時間割です。
色がついている部分が授業のある時間帯です。何だかスカスカな気がしますが、決して怠け者の時間割ではありません。至って標準的な大学生の時間割になります。
大学1年生では、文系も理系もほぼ同じ生活
サブタイトルの通り、大学1年生の時点では文系・理系にかかわらず、同じような生活をしています。授業の量も同じくらいあり、バイトやサークル活動に精を出し始める時期です。
ここで時間割の色についての説明をします。オレンジ色が専門講義、青色が教養科目、赤色がゼミの時間という区分けになっています。
専門科目は文字通り専門的なことを勉強し、教養科目は自分が専門とする科目以外を勉強していきます。たとえ文系だとしても、教養科目にて数学や化学などを勉強しなければならないということですね。
赤色のゼミについては、大学3年生の欄で説明しますね。
文系には”確実に”予習・復習が必要な科目がある
実は大学1年生の段階では、文系の方が忙しかったりします。
基本的に文系理系関係なく、テストは2日徹夜すればなんとかなってしまうものばかりです。大学には過去問というありがたいものが出回っているからです。
過去問を見れば、テストの傾向を知ることができます。もっと言えば、丸々同じ問題が出題されることも多いです。つまり過去問さえ習得していればテストに合格できるので、日ごろの予習復習なしで何とかなることが多いのです。
そういう事情があると、大抵の大学生は課題だけやって予習復習なんてものはしません。あとはパリピ(party people)になるなり、ウェイウェイ好きにするだけです。
…さて。そんな中、実は文系には予習復習が必須な科目があります。それは語学です。
中国語やドイツ語などの勉強は、小中高まったく馴染みのない学問とみなせますからとても大変です。文法を学ぶ以前に、単語や発音から覚えていかなければなりません。
語学ほど予習復習が必要なものはありません。そんな予習復習が必須な授業が、週に4コマもあるのです(時間割参照)。週にこれだけのボリュームで学習しているのであれば、テストの範囲も計り知れないことでしょう。
大学2年生
ん? 大学2年生よりも時間割がさみしいぞ…?
1年生は教養科目を多くとる時期でした。2年生以降は専門科目を多く学習していきます。
学習するのですが…なんか少ないですね(確信)
文系の課題(宿題)ってどんなもの?
理系の課題はなんとなく想像できることでしょう。理系では計算問題を解いたり、実験結果をレポートにまとめて考察したりします。
では、文系ではどんな課題が渡されるのでしょうか。課題については多くを聞けませんでしたが、数千字単位のレポートを何個も書くようです。人文学部では、週に1~2回は2000文字のレポートを課されていたようですよ。
そして期末レポートに関しては、5000文字をゆうに超える課題もあるようです。内容だけでなく文章校正もチェックされることから、気の抜けない課題であることは確かでしょう。
大学3年生
3年生でこんな時間割とか恥ずかしくないの?(語録)
教養科目の卒業要件を満たし、いよいよ本格的に専門分野に打ち込んでいく時期です。…時間割がスカスカだけど。
理系と比べて時間割がガバガバなんですが(達観)
※理系のほぉらいさんの時間割(2年生時)
皆さん、そろそろ文系の時間割を見て指摘したくなってきたでしょう。いくらなんでもガバガバすぎないかと(迫真)
上記の時間割は建設学科の蓬莱さんの時間割です。緑色は実験科目です。月~金まである程度埋まっているという、充実した学生生活を送っています。
これを見てしまうと、「文系は相当暇!」ということになりますね。ただし、それはあくまで時間割を見ての話です。文系にはゼミという授業があり、これがあるかないかで文系の忙しさがかなり変わります。
次の章をご覧ください。
ゼミがきつく、時間外学習が多い
遅くなりましたが、赤色のゼミについて説明します。
ゼミとは発表と議論の場です。理系では、研究室に入って自分の研究成果を学生や先生に発表しています。その発表に対し、質疑応答を踏まえて話し合いを行います。
理系ではゼミの授業なんてものはありませんので、基本的に研究室配属(4年生)してからやっていきます。しかし、文系はどうでしょう? これまでいくつか時間割を見てきましたが、1年生から赤色の時間割があったと思います。
どうやら人文学科においては、1年生の時点からゼミ活動を強いられるようです。研究生のように、何かのテーマについて自力で調べ上げ発表を行うという行為を、理系より早く体験しているわけですね。
院生となった自分は分かりますが、良い発表をするためにはそのテーマについて調べ尽くしておかなければなりません。1つの発表のために10時間を費やすことだって、ざらです。
そして驚くべきことに、3年生になるとゼミが2つになっています。どちらのゼミも、1回の発表に20分質疑応答70分の時間が与えられています。…70分も何を話すんだよ。
このような実態を考えると、時間割はスカスカですが、時間外学習が多いため決して暇ということではなさそうです。
H君によると、3年生の時期は週に3回はPM10:00を超えて勉強する日があったそうですよ。
大学4年生
おぉ、香ばしい時間割ですね!
ようやく文系も本気を出してきました。研究室に入れば、フルタイムの活動になるようですね!
文系の研究室も実は忙しい
まず、人文学部での基本的な研究の流れを画像に挙げます。
論文を書くために資料を解釈し、自分なりの説を提唱するというよくある手法ですね。
聞いた中ですと、「文献調査」と「翻訳」はかなり大変な作業です。
文献調査では自分が読みたい資料を得るために、各地にある図書館を調べたり、取り寄せを行わなければなりません。場合によっては現地まで足を運んで資料を調べなければならないこともあります。
次の資料解釈は、翻訳の作業がやばいです。文系ともなると語学の印象が強いですが、4年生ではそれが色濃く出ます。大抵の資料は古語や外国語で書かれたものですので、まずはそれを翻訳しないといけません。
理系も実験や解析などで大変ですが…文系もそれなりに難しいことをやっているのですね。
就業時間
活動自体は素晴らしいことをやっている人文学部さん。では、就業時間の方はどうでしょうか?
ここで、蓬莱さんとHさんの基本的な活動時間を列挙しておきます。コアタイムというのは、研究室にいないといけない時間帯の事です。
- Hさん
- コアタイム:なし
- 基本的な活動時間(平均):10:00~17:00
- 忙しい時の活動時間(平均):8:30~21:00
- 土日:多分ある
- 夏休み:自分の裁量次第で休める
- 蓬莱さん
- コアタイム:10:00~17:00
- 基本的な活動時間(平均):9:00~21:00
- 忙しい時の活動時間(平均):9:00~25:30
- 土日:土日どちらかはつぶれる。忙しい時は土日ともに消滅
- 夏休み:お盆休みしかない
比較してみると、さすがに活動時間は理系の方が上でした。今では慣れていますが、文字に書き起こしてみると、蓬莱の生活はおかしいです(確定)
文系は理系みたいに深夜勤務ということはありませんが、午後10時を回るフル労働など、やることはやっています。
よく、「就活が終わった文系は天国だ!」などと言われていますが、この活動時間を見ると、決してそういうわけではなさそうですね。
最後に:インタビューしてみての結論
インタビューをしてみた結果、文系は理系よりは忙しくありませんが、対して暇そうでもないという結論になりました。
この生活を見て暇という人は、おそらく社畜かラボ畜でしょう。
最後に重要なことを述べておきますと、今回提示した情報は時間割のみです。頑張る文系の人は、ここに教員免許を取るための講義をとります。また公務員を目指す文系学生は、ここに公務員講座の勉強時間が入ってきます。
放課後にバイトを入れる人もいるでしょう。サークル活動にだって、時間を取られるはずです。
そう考えると、決して時間が余り余っているとは言えませんよね。文系を代表する人文学部も、なかなか忙しいことが分かりました。