最終更新日:2017年12月24日

実はデメリットだらけ。たった1つのメリットのために就職を捨て大学院生になりますか?


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こんばんは、蓬莱です!

2017年12月中旬、就職するか大学院に行くか迷っている人が多くいるようです。ちょっと時期的に遅いんじゃない? と思われるかもしれませんが、アクセス解析の流れを見ると結構そんな方がいるようです。

 

大学院進学のメリット・デメリットは他サイト様で多く語られています。同じような記事を書いても仕方がないので、この記事は少し変わった視点でメリット・デメリットについて語っていきたいと思いますよ!

 

 

はじめに

こんな記事をお読みいただき、ありがとうございます。

まず最初に申し上げると、筆者は大学院修士1年の学生です。院の生活はよく知っているけれど、社会のことはまだよく分からない人物です。あらかじめご了承の上、お読みいただければ幸いでございます。

 

就職するか、院に進学するか。大学を卒業する人であれば、一度は悩むことでしょう。悩んだ末人々は、それぞれの進路に対しメリット・デメリットを並べて、どちらが良いか天秤にかけ議論します。

そういう背景もあり、このサイトのみならず多くのサイトで、大学院進学のメリット・デメリットがつづられています。この記事を見つけた人であれば、多かれ少なかれ、どこも似たような情報を提供していたことはご存じのはずです。

 

タイトルの雰囲気から分かる通り、この記事では一風変わった視点からメリット・デメリットを語っていきます。その結果、主だったメリットはたった1つしかなくなってしまいましたが、どうぞご覧くださいませ(笑)。

 

 

本当にメリットかと思う項目

前述の通り、他サイト様には大学院進学によって得られるメリットを多く取り上げております。一通り目を通してみると、確かにメリットだと思うことばかりです。

しかし、視点を変えてよく見るとこう思うのです。「これらのメリットは、別に大学院・就職のどちらを選択しても得られるでしょ」と。

例を示して、それぞれ見ていきましょう。

 

 

文書作成能力・プレゼン能力が上がる!

大学院でも就職でも…

例えば、「ワード作成能力やプレゼン能力が上がる」などをよく見ます。大学院生活の辛い経験を通して、様々なスキルを上昇させることができるという、よくあるメリットですね。

 

しかし、これって別に就職した後でも、いくらでも成長する機会がありそうですよね。プレゼン能力はゼミでの発表や学会発表などで院生に軍配が上がるとしても、wordやexcelなどのテクニックについては、社会人にとても太刀打ちできないと思います。

彼らは日々職場と言う戦場で実践的な資料を作っているため、院生が敵うはずがないのです(特にwordのきちんとした技術)。

 

もっと言えば、社会で絶対必要なコミュニケーション能力も、社会人の方が成長できる機会があるでしょう。院生が黙々と研究に没頭している中、学部卒の人は新人研修を終えて、外部の人と取引をしているのです。

まれに院生は凄く偉い先生と対談・議論をしたりする機会がありますが、学部卒の人はほぼ毎日外部の人と取引をしていることでしょう。多かれ少なかれ、学部卒の方がコミュニケーション能力上昇の機会が多くありそうですね。

 

以上の観点から、社会に必要なスキルを成長させられるという観点では、別に大学院に行こうが学部卒で就職しようが、さほど変わりないということになります。

これでは大学院に行くメリットになりませんよね。ただし、プログラミング言語など、特殊なスキルを取得する機会は研究室によってあります。

 

 

給料が上がる

学部卒と院卒の給料

「就職後の給料も上がるよ!」というメリットも、他サイト様でよく見かけますね。実はこのメリット、”初任給”という言葉のマジックが入っています。

 

試しに大手企業の1つである、ロッテの初任給を挙げてみましょう。学部216,000円、院卒231,000円です。ロッテのみならず多くの企業が、学部卒と院卒の初任給の差をこれくらいに設定しています。

多いか少ないかは個人の感覚次第ですが、院卒の方が初任給で15,000円高いですね。あくまで初任給の点では、院生が有利な訳です。

 

しかし、多くの企業が年に1回は昇給の機会を設けている事実を考慮すると、どうなるでしょうか。上記の画像をご覧ください。これが初任給のマジックを解かしてくれます。

社会人3年目の人の初任給は院生よりも低くはありましたが、2回ほどの昇給を受け、3年目には院生の初任給とおおよそ並ぶ計算となります。院生が社会人になるころには、給料的に負けず劣らずの金額になっているわけです。

 

さらに生涯収入の観点から見ると、社会人3年目の人は院生と比べて、すでに2年分の給料を得ているわけです。院生は稼ぐどころか、むしろお金を払って勉学に励んでいます。

院生が払うお金、学部卒がその間に稼ぐ2年間のお金を合算すると、学部卒が500万~600万ほどお金の面で有利なことが分かるでしょう。社会人1年目、2年目のボーナスを考えると、さらに差があるかもしれません。

 

 

学生のうちにやりたいことができる

世の中金

「院生は時間的な猶予がある」。これはまさしくその通りでしょう。

時には、院生の方が忙しいんじゃないの?と思う期間もありはしますが、時間の融通を利かせられるのは間違いなく院生です。先生との折り合いがつけば、平日に旅行に行くことも可能です。

 

この猶予時間を活かし、「若いうちにやりたいことを経験できる」という事実も、副次的に現れるメリットでしょう。海外を放浪するなんて、よく耳にする若いうちにしておきたい経験ですよね。日本一周旅行などの目標もいいでしょう。

もしも院生活中に実現出来たら本人はハッピーでしょうし、何かと就活のネタにもなります。非の打ち所がない目標ですね!

 

しかしながら、これら趣味寄りの目標を実現するのって、大抵はお金が必要なのではないでしょうか? 時間は社会人に比べ豊富にあるものの、いざそれをするためのお金が院生にはないのです。これでは行動が限られてしまいますね…。

この点を考えると、「余暇時間があるから、自分のやっておきたいことが何でもできる!」と一括りのメリットにしてしまうのは、納得がいきません。

正しくは、「余暇時間があるから、自分のやっておきたいことができる!(お金のかからないもの限定)」ですかね。

 

しかしながら、やりたいことが勉学だとか、TOEICで高得点を取るとかであれば、素晴らしいメリットになり得ます。比較的お金はかかりませんからね。

就職して多忙な中勉強するよりも、ある程度時間に猶予がある院生活でゆっくり勉強できるのは魅力的です!

 

 

逆にデメリットはたっぷり!!

どっちが頼れるか

それに対し、逆にデメリットは充実しています。それはもうびっくりするほどに(苦笑)

 

まず、お金の面ではデメリットだらけです。

毎日深夜を過ぎるような活動をしても、1円にすらなりません。院生はどれだけ研究活動(仕事)をしても、給料は出ないのです。

というか、むしろ学費を払っています(半年で28万ほど)。

 

そんな状況もあり、院生は決まって貧乏生活です。アルバイトをすることも可能ですが、研究と並行してそれを行っていくことは並大抵のことではありません。

心身ともに疲れ果て、鬱っぽくなる人を何人か見た経験があります。

 

ここではデメリットについて多くは語りませんが、世の中のサイトで出回っているデメリットについては、大方誰にでも当てはまります。

メリットはあんなにガバガバなのに…悔しい! 大学院生、何と悲しきことかな。

 

 

唯一のメリット:1つの宝物ができる

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そんな厳しく主だったメリットがなさそうな大学院生さん。ここまでメリットがないと、何のために辛い大学院生活を送っているんだと思いますよね。

しかし、実は(ほぼ)唯一の最大級のメリットがあります。

それは「投稿論文という宝を得られる」というものです。

 

これは院生になって8ヶ月で起きた現象でした。外部投稿用に作成した論文が、たまらなく愛おしくなったのです。

それは、外部で色々な学者に見られるからという、嬉しさから生じたものかもしれません。もしくは、書き上げた論文が世の中の役に立つという、喜びからかもしれません。

しかし一番の理由としては、この難題な論文を自分で書き上げたんだという事実が誇りになっているのです。もうなんか自分の論文すごい! って思いきってて、色々な人に見せびらかしたい気持ちになってます(笑)

 

練りに練った論文って、相当やばいです。蓬莱さんはようやく一篇の外部論文を仕上げられそうですが、これは良いものを仕上げたという達成感があります。まだ査読(学者の方からの論文チェック)を受けていないにもかかわらずです(苦笑)

学部時代も合わせて3年間向き合ってきた研究を、たった10~20ページに凝縮してまとめるのです。きっとそれは、研究に向き合ってきたほど、大きな宝になることでしょう。

 

あと、大学院生活の思い出というのも、1つの宝です。大学院を無事終了した方に聞くと、こぞってみんな「大学院に行ってよかった」と言います。未来の自分も、きっと同じことを言うでしょう。

自信の持てる自分だけの論文を得られたという事実は、大学院が良かったという人たちの1つの理由になっていると思います。…多分意識はしていないですけれど。

 

 

最後に

「世の中で出回っている院進学のメリットは、実はそんなに際立ったメリットじゃないのではないか」という疑問の元、記事を展開して参りました。

その結果、主だったメリットが1つしか残らなかったのは、残念でもあり驚きでしたね(苦笑)

 

良い感じで記事をまとめることはできましたが、少し極論すぎたかなと反省しております。正直なところ、この記事を全世界に広めてもいいのだろうかと悩んだくらいです(苦笑)

わずかながらでも共感してもらい、就職・院進学で悩んでいる人の参考になれば、幸いです! どうか良い選択を!


初回公開日:2017年12月19日
最終更新日:2017年12月24日 初回公開日:2017年12月19日
最終更新日:2017年12月24日